■感染経路は不明

 介護人がどのようにしてジカウイルスに感染した可能性があるかについては、保健当局は調査中と述べ、「家族の接触」と表現するにとどめた。

 ジカウイルスは、血液、精液、唾液、尿、母乳、女性生殖管の分泌物サンプルなどで検出されることが、これまでの研究で判明している。

 CDCの医療の質向上部門(Division of Healthcare Quality Promotion)の医学疫学者、マイケル・ベル(Michael Bell)氏は「現時点では、感染の原因となった可能性のある何らかの特定の行動について説明できる状況にはない」と述べた。

 空気感染が可能性の一つとして考えられるかとの記者の質問に対し、ベル氏は「われわれの一連の作業において、検討のテーブルから本当に除外されるものは何一つない。このテーブルは非常に広く、可能性を過小評価するのは極力避けたいと考えている」と答えた。

「だが、医療処置のようなことが行われていない限り、そうしたことが起きる可能性は極めて、極めて低いと思われる」

 7月中旬現在で、米保健当局がこれまでに報告している米国本土と米ハワイ(Hawaii)州で発生したジカウイルス感染症例は1306件に上っている。

 このうち、局所的な蚊の媒介によって生じた感染例は今のところ皆無で、14件は性感染に関する事例、1件は実験室内での暴露の結果として発生したものだ。(c)AFP/Kerry SHERIDAN