■「黙って夫の言う通りに」

 国際女性研究センター(ICRW)と国連人口基金(UNFPA)がインドで2014年に行った調査によると、女性対象者の半数以上が、パートナーから何らかの形で性的暴行を受けたことがあると回答した。一方男性対象者の6割が、パートナーに性的虐待を行ったことがあると認めた。

 夫婦間レイプのカウンセラーで弁護士のモニカ(Monica)氏は、インドに深く根を下ろした家父長主義的文化や、女性の人権に対する意識の欠如が調査結果に表れているとみている。「男性は結婚を、セックス許可証と捉えている。同意を求める必要があることさえ認識していない」と指摘。「もし妻が訴え出ようと警察に行けば、『夫に求められて幸運じゃないか。さあ家に帰って、夫を喜ばせてあげなさい』と言われる」という。

 カウンセリングに訪れた女性の多くは、結婚を維持したければ虐待に耐えるしかないと感じたと告白している。

 3児の母であるミラ(Meera)さん(仮名)は、「結婚した時、私はまだとても若かった。セックスが何であるかも知らなかった」と明かした。「自分の身に起こったことが何であれ、絶対に間違っているのは確か。それなのに両親からは、黙って夫の言う通りにしろと言われた」と目を潤ませた。(c)AFP/Abhaya SRIVASTAVA