【4月27日 AFP】強い伝染力を持ち時に死に至らしめることもあるノロウイルスは、生産性の損失を中心に、世界に年間640億ドル(約7兆1100億円)の損失をもたらしているとする研究結果が26日、発表された。

 米科学誌「プロスワン(PLoS ONE)」に掲載された研究論文は、米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)の専門家らによる。

 ノロウイルスの症状は悪心、下痢、嘔吐(おうと)などで、予防ワクチンも治療薬もない。論文によると、世界で年間7億人近くがノロウイルスに罹患し、21万9000人が死亡している。その結果、約42億ドル(約4660億円)の医療費と、603億ドル(約6兆7000億円)の社会的費用がかかっている。

 下痢感染症を引き起こすもう一つのウイルス、ロタウイルスはとりわけ乳幼児にとって危険で、ワクチンが作られる前は年間推定20億ドル(約2220億円)の損失をもたらしていた。

 ノロウイルスは日常的に手を洗い、感染患者との接触を避けることで、その拡大を防ぐことができる。(c)AFP