【4月12日 AFP】米保健当局は11日、ジカウイルスの脅威がこれまで考えられてきた以上に増していると警鐘を鳴らし、ジカウイルス対策への資金拠出を妨害しないよう米議会に呼び掛けた。蚊に媒介されるジカウイルスは、胎児の先天異常との関連性が指摘されている。

 まだあまり解明が進んでいないジカウイルスをめぐっては、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領政権が、その準備と対策を強化するため19億ドル(約2050億円)を拠出する法案を議会に提出したが、審議は行き詰まったままだ。

 ネッタイシマカに媒介されるジカウイルスは昨年以降、中南米やカリブ諸国の30地域以上に急速に感染が拡大しており、まれではあるが性交渉による感染も確認されている。

 米疾病対策センター(CDC)のアン・シュチャット(Anne Schuchat)副所長は、米大統領官邸で記者団に対し、「われわれは、絶対に準備する必要がある。このウイルスに関して目を向けるものはすべて、当初の想定よりも若干、脅威を増しているようにみえる」と語った。

 米保健当局は、カリブ海の米自治領プエルトリコ(Puerto Rico)では今年末までに、数十万人がジカウイルスに感染する恐れがあると警鐘を鳴らしている。(c)AFP