【3月17日 AFP】インド中部マディヤプラデシュ(Madhya Pradesh)州で、自分より低いカーストの男性と不倫したとして長老会議により罰せられた4児の母親の女性(25)が、首つり自殺した。地元警察官が16日、明らかにした。

 女性が自殺したのは14日。女性の自宅周辺には当時、長老会議が不倫の罰として家族に開催を命じた宴会に参加するため、数十人の村人が集まっていた。

 女性と同じカーストのメンバーで構成される長老会議は先月、インドに根強く残る社会階級制度でかつて「不可触民」とされた最下層のダリット(Dalit)出身の男性と関係を持ったとして、女性に対し「有罪」を宣告していた。

 地元の警察官によると、女性は宴会を開くことに加え、5000ルピー(約8400円)の罰金と、地元寺院で自身の「罪」を償うことが命じられていた。女性は、夫の同僚であるダリットの男性との不倫疑惑で落ち込んでいたとみられている。警察は現在、長老会議が女性の死に果たした役割について捜査しているという。

「パンチャヤット(panchayat)」と呼ばれるこうした長老会議は、正当な法的権威はなく違法とされているが、とりわけインド北部で強い影響力を持っており、法的機関が利用できない状況にある数百万人の貧しい村人たちのための調停役を果たしている。(c)AFP