【2月2日 AFP】帝王切開で生まれた新生児に、有益な細菌を与える方法を発見したとの研究結果が1日、発表された。体全体を覆う保護膜を形成する細菌は、自然分娩時に産道で体内に取り込まれるが、帝王切開児はその機会を逸しているとされる。

 人間の皮膚、口、腸などに生息する細菌は、消化、代謝、免疫などで重要な役割を担っている。

 だが、生涯にわたる恩恵をもたらすと考えられている通路の産道を経由せずに生まれる帝王切開児の体内細菌は、産道を通る自然分娩児とは大きく異なる。

 英医学誌「ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)」に掲載された研究論文によると、統計上、帝王切開児は後年に肥満、ぜんそく、アレルギー、免疫不全などを発症する可能性が高いという。

 今回の研究に参加した科学者らが所属する米ニューヨーク大学ランゴンメディカルセンター(New York University Langone Medical Center)から発表された声明は「自然分娩でもたらされる細菌が施す『教育』を、帝王切開が妨げている」と述べている。

 とりわけ重要なのは、新たに形成される免疫系が、有益な細菌と疾患を引き起こす細菌とを見分けるのを、これらの細菌が助けることだ。