【2月2日 AFP】世界保健機関(WHO)は1日、南米における深刻な先天異常の急増がジカウイルスに起因することが「強く疑われる」として、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。

 スイス・ジュネーブ(Geneva)で記者会見したマーガレット・チャン(Margaret Chan)WHO事務局長は、「行動を起こす必要がある」と呼び掛けた。

 WHOは、頭部と脳が異常に小さい新生児が生まれる「小頭症」の事例が急増している原因が、蚊が媒介するジカウイルスである可能性が高いと指摘している。

 チャン事務局長は、世界的な専門家が出席して開かれたWHO緊急委員会の会合で、「妊婦のジカウイルス感染と胎児の小頭症発症との因果関係が、科学的には依然証明されていないが強く疑われる」という見解で一致したと発表。

 その上で同事務局長は、「この因果関係をより良く調査・解明していくためには、国際的な協力を図っていくことが急務だという認識で一致した」と述べた。

 WHOは先週、ジカウイルスが南北米大陸で「爆発的に拡大」していると警鐘を鳴らし、同域での感染者が今年だけで400万人に達する可能性もあると指摘していた。

 WHOは、先に西アフリカ各地で猛威を振るったエボラ出血熱への対策の遅れを認めており、ジカ熱については迅速な対応を迫られている。(c)AFP