【1月27日 AFP】世界の子どもの9人に1人、約2億5000万人が暴力的な紛争下にある国々で生活していると、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)が26日、発表した。世界で人道的緊急事態にある数千万人の子どもたちを救済するには、2016年には28億ドル(約3300億円)が必要になるという。

 ユニセフは、ここわずか3年の間に年間要請額が倍増したと述べ、紛争と異常気象により、ますます多くの子どもたちが家を追われ、数千万人が極度の食料不足、暴力、病気、虐待、教育を受けられない危機にさらされているとしている。

「今や世界の子どもの約9人に1人が紛争地域に暮らしている」と、ユニセフの声明は警鐘を鳴らす。

 これは破滅的な数字だ。声明によると、昨年、紛争地域に暮らす子どもが5歳未満で死亡する確率は他の国々の2倍におよび、その大半が予防可能な原因によるものだった。

 ユニセフによると、2016年に要請する金額で、63か国で7600万人、うち子ども4300万人を支援することができるという。

 ユニセフによると、最大部分を占める約12億ドル(約1400億円)が、シリア国内での援助および周辺諸国に逃れたシリア人難民数百万人の救済に必要で、4分の1が緊急事態に置かれている子どもの教育関連費用だという。危機地帯で教育を受けられるよう援助する子どもの数を、2015年の490万人から2倍近くの820万人に増やしたいと強調している。(c)AFP