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化学物質毒性をヒト細胞で予測、動物実験削減に期待 米研究

2016年1月27日 10:25 発信地:パリ/フランス

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化学物質毒性をヒト細胞で予測、動物実験削減に期待 米研究
ドイツ・ハンブルクの研究所で、培地と菌株の入ったペトリ皿を持つ研究員(2011年5月23日撮影、資料写真)。(c)AFP/DPA/CHRISTIAN CHARISIUS

■動物実験の削減に期待

 さらには、動物保護をめぐる倫理的な懸念も生じる。

Tox21」と題されたこのプロジェクトには、米環境保護局(EPA)、米国立衛生研究所(NIH)、米食品医薬品局(FDA)の3つの米政府機関が共同で取り組んでいる。

 論文の共同執筆者、NIHのルイリー・フアン(Ruili Huang)氏は、AFPの電子メール取材に「米国のTox21プロジェクトの重要な目標は、動物実験を減らすために、生体外(ペトリ皿)のデータを、生体内(生きた動物)の毒性の代わりとして用いることだ」と語った。

 だが、この目標を達成するためには、人間への毒性に関する細胞試験の予測精度を、動物実験と同等かそれ以上に向上させる必要がある。

 約1万種に上る化学物質について、15の異なる濃度で種々の細胞に対して試験を重ねた研究チームは、化学物質の新たな組み合わせに関する予測モデルを構築するために、蓄積したデータを使用した。

 このモデルは、人間と動物の両方に対する毒性を予測でき、「動物毒性試験の有望な代替手段」となる可能性があることを、研究チームは明らかにした。

 予測モデルは、妥当性を評価し、精度を向上させるために、さらに研究を重ねる必要があり、動物実験に完全に取って代わるわけではないかもしれないとフアン氏は指摘する。

 だが、科学者らは予測モデルを活用することで、従来の手法を用いる追加試験で毒性を示す可能性が高いと予測される化学物質に優先順位を付けることができ、「必要とされる動物実験の回数を大幅に減らせる」可能性があるとフアン氏は話している。(c)AFP


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