■ファッションと美容

 夫に先立たれたシメオンランベールさんは現在、息子と娘と共にブルー・ドゥ・レクトゥール(Bleu de Lectoure)という会社を経営。染料を年間600キロ生産できるまでになったが、「2.5トンを目指す」という。

 環境に優しい製品への関心が高まっていることもあり、「無害で色落ちしないこの染料は、オートクチュールや(繊維)業界から大きな需要がある」とみている。同社は画材や美容、テキスタイルの商品も開発しており、2つ目の工場を米国に設立する計画だ。

 フランスの女性事業家で、かつて薬理分野の仕事をしていたキャロル・ガルシア(Carole Garcia)さんは、「この植物の薬効面に再注目し、美容製品を開発する」ことに焦点を当てている。

 パステルは「中世からその治療効果で」知られていたと言うガルシアさんは2003年に以前の仕事を辞め、トゥールーズ(Toulouse)にグレーヌ・ドゥ・パステル(Graine de Pastel)という会社を立ち上げた。

 染料を採るには葉を使うが、ガルシアさんは「栄養価の高いオイルを抽出するため種を使う」のだそうだ。

 ガルシアさんの商品は、フランスだけでなく世界中で小さいながらも急速に成長しているオーガニックコスメ市場で採用されている。「売り上げの25%はアジアを中心とする輸出」だと語るガルシアさんは、現在フランス国内に3店舗構えているが、来年にさらに8店舗オープンする計画だという。