【11月9日 AFP】アラビア海(Arabian Sea)に浮かぶイエメンのソコトラ島(Socotra Island)に8日、大型サイクロン「メグ(Megh)」が上陸し、同国政府筋によると少なくとも2人が死亡、数十人が負傷した。ソコトラ島は先週にもサイクロンの直撃を受けたばかりで、上陸に先立ち島民の間にはパニックが起きた。

 島民によると「メグ」は暴風雨をもたらし、広域で鉄砲水の被害が出ている。ソコトラ島出身のファハド・カファーイン(Fahd Kavieen)漁業資源相は、国連(UN)と近隣国オマーンに島民の救助を緊急要請した。

 上陸に先立ち世界気象機関(WMO)のクレア・ヌリス(Clare Nullis)報道官は6日、「メグ」はイエメン南東部を3日に襲い死者8人を出した大型サイクロン「チャパラ(Chapala)」ほど強い勢力はないと発表していたが、ソコトラ島在住の人道支援活動家の男性は、8日のAFPの取材に「チャパラよりずっと強力だ」と語った。

 アラビア半島にサイクロンが上陸するのは非常にまれ。1週間に2つというのは「間違いなく異常な出来事だ」と、WMOのヌリス報道官は指摘している。

 国連人道問題調整事務所(OCHA)によれば、「チャパラ」の影響でソコトラ島では家屋237棟が損壊し、6日時点で1万8000人が避難を余儀なくされていた。イエメン全土では4万4000人が「チャパラ」により自宅を失ったという。(c)AFP