【10月25日 AFP】末期患者7人を薬物で安楽死させた元医師について、フランス西部アンジェ(Anger)の控訴院は24日、一審の無罪判決を一部覆し、執行猶予付き禁錮2年の有罪判決を言い渡した。

 逆転有罪となったのは、救急救命室の医師だったニコラ・ボンヌメゾン(Nicolas Bonnemaison)被告(54)。この日の判決公判では、被告が安楽死を実行したとされる7人のうち、当時86歳だった女性の死について有罪と判断された。判決文が読み上げられる間、ボンヌメゾン被告はうつむいたまま何も反応しなかった。

 安楽死が違法とされているフランスで昨年行われた一審は、感情的な対立で注目を集めた。一審で無罪が言い渡される前日、行政裁判所の最高裁にあたる国務院は、植物状態にある四肢まひ患者の安楽死を認める画期的な判決を言い渡した。だが、判決について患者の家族の意見が分かれ、欧州人権裁判所(European Court of Human Rights)が即時介入して判決を差し止め、精査する考えを示した。(c)AFP