【4月16日 AFP】インターネット環境の充実が売りの最新型の旅客機に、ハッカーが機内エンターテインメントシステムを乗っ取って操縦機器に致命的な破壊工作を行う危険が潜んでいると警告する報告書を、米議会の政府監査院(Government Accountability OfficeGAO)が発表した。

 GAO報告書は、「IP接続などの現代の通信技術が航空機に使用されるようになったことで、権限のない人物が航空電子機器に不正アクセスする可能性が出てきた」と指摘。米連邦航空局(US Federal Aviation AdministrationFAA)も真剣に対策を検討し始めたとしている。

 理論的には、航空電子機器はファイアウォールによって「機内エンターテインメントシステムを利用する乗客など客室内の人物による(機器への)侵入」から保護されている。しかし、サイバーセキュリティーの専門家4人はGAOに対し、ファイアウォールも「他のソフトウエアと同様に」ハッキングされ、その防御がかいくぐられる恐れがあるとの見解を示した。

 報告書を共同執筆したGAOのジェラルド・ディリンガム(Gerald Dillingham)氏は、この問題は特に、インターネット接続サービスを提供しているボーイング(Boeing)の787型機「ドリームライナー(Dreamliner)」やエアバス(Airbus)のA350型機などの次世代航空機に影響があると述べている。(c)AFP/Robert MACPHERSON