【3月10日 AFP】中国では、不健康な食生活や喫煙、肥満などにより心臓病が「まん延」する恐れがあり、4人に3人の心臓血管が不十分な状態であるとする研究論文が、9日の米国心臓病学会誌「Journal of the American College of Cardiology」に掲載された。

 中国・上海交通大学医学院(Shanghai Jiao-Tong University School of Medicine)の畢宇芳(Yufang Bi)氏と寧光(Guang Ning)氏が率いるチームは、中国の男女9万6000人の健康状態を、米国心臓協会(American Heart AssociationAHA)が定めた行動やライフスタイルに関する7項目(喫煙習慣、BMI、運動、食生活、治療を受けていない状態での総コレステロール値、治療を受けていない状態での血圧、治療を受けていない状態での空腹時血漿(けっしょう)グルコース濃度)に従って、「理想的」「中間」「不十分」の3つに分類した。

 その結果、心臓血管が「理想的」な状態だったのは、男女の0.2%にすぎなかった。また、BMIや運動、食生活、喫煙習慣の4主要項目で「理想的」とされたのは、男性でわずか5%、女性で22%だった。

 心臓血管疾患は現在、中国における主な死亡原因の一つとなっており、糖尿病の有病率は過去10年で2倍以上に上昇している。研究チームは、「効果的な介入を行わなければ、心臓血管疾患は近い将来に中国でまん延するだろう」と警鐘を鳴らしている。(c)AFP