【2月18日 AFP】オーストラリアで、中国から輸入された冷凍のミックスベリーが原因とみられるA型肝炎患者が発生したことを受け、同国のバーナビー・ジョイス(Barnaby Joyce)農相は18日、食品検査基準を厳格化する可能性があることを明らかにした。

 同国ではこれまでに、ニューサウスウェールズ(New South Wales)州とビクトリア(Victoria)州で4件のA型肝炎感染が確認され、感染に関連して「ナナズ(Nanna's)」と「クリエイティブ・グルメ(Creative Gourmet)」ブランドで販売されていた冷凍のラズベリーとミックスベリーが回収されている。袋詰め作業が行われた中国の工場が不衛生だったことや、汚染された水が使われていたことが原因と指摘されている。

 感染はその後、クイーンズランド(Queensland)州、西オーストラリア(Western Australia)州にも拡大しており、感染例は政府がこれまでに確認しているだけで、少なくとも13件に上っている。

 ジョイス農相は今後の輸入規制の強化につながる可能性について豪公共放送ABCに対し、「現在行っている調査の結果次第では、その可能性もある」と発言。「(各州・特別地域の)保健相が協議中だ」と述べた。

 ジョイス農相はさらに、食品の品質表示法の厳格化に加え、消費者に国産品の購入を呼び掛けた。「(国産食品が)輸入品よりも清潔で新鮮であることを確実にするために、食品に関する法律や監視体制は厳格なものになっている。値段は少し高くなるが、国産品の方がより安全だ」と農相は述べた。

 しかし、トニー・アボット(Tony Abbott)首相は食品ラベルの変更に乗り気ではないとみられ、関連業界に対する規制強化につながりかねないと警告している。(c)AFP