【1月30日 AFP】都市部での熱波の発生回数がこの40年間で増加しているとの報告書が、30日の英学術誌「エンバイロメンタル・リサーチ・レターズ(Environmental Research Letters)」に掲載された。

 研究チームによると、世界各地の都市の気象情報データベースを分析した結果、猛暑となった日数の合計が「大幅」に増加し、寒い日の日数は減少していることが判明したという。

 研究チームは、データのある650都市の中から、1973~2012年までの記録が完全な217都市を対象に分析を行った。

 分析の結果、1973年から2012年にかけて、6日以上猛暑の日が続く熱波の発生回数は、1都市あたり0.3回増加していた。研究チームによると「統計的に有意」な増加だ。

 また、最も熱波の多かった5年のうちの4年は2009年、2010年、2011年、2012年と最近だった。一方、寒波が最も多かった5年は、研究開始年に近い1973年、1974年、1976年、1981年、1983年だった。

 また過去40年で、測候所の半数以上が極めて暑い日が増加したと報告している。極めて暑い夜の増加を報告した測候所の数は3分の2近くに上った。

■都市部にますます集中する人口

 報告書によると、人口100万人以上の都市は1900年には17都市だったが、2003年には388都市に増加した。

 2008年の推計によると、世界人口の半分以上は都市部に暮らしている。この比率はさらに増加する見込みで、2030年には60%、2050年には70%になると予測されている。(c)AFP