【1月6日 AFP】オーストラリアでは現在も3つの州で消防隊が森林火災の消火作業に追われているが、昨年は同国史上3番目に暑い年で、そのため森林火災シーズンの到来も早まったとする研究結果が6日、発表された。

 オーストラリア気象局によると2014年は、同国で気温観測が開始された1910年以来、3番目に暑い年だった。「14年はオーストラリアの大半で平均をかなり上回る気温が観測された。平均気温は長期的な平均を0.91度上回っていた」と、同局のニール・プランマー(Neil Plummer)氏が語った。「異常に温暖な天気が頻発」する年でもあったという。

 同局によると、オーストラリア史上最暑かった13年に続き、14年の気温は最高・最低ともに平均を大きく上回った。史上2番目に暑かった年は05年。また02年以降これまでで、暑い年の観測史上トップ10に入った年が7年あるという。

 ニューサウスウェールズ大学(University of New South Wales)気候変動研究センターのサラ・パーキンス(Sarah Perkins)氏は、降雨や風の状況などもあり、高温だけが森林火災の原因ではないとしながらも「確かに気温が高いほど、さまざまな物が乾燥するのが早く、特に強烈な熱波に見舞われた場合、強力な森林火災を引き起こす気候となるリスクは高まる」と語った。

 豪非営利シンクタンク「クライメート・カウンシル(Climate Council)」のウィル・ステフェン(Will Steffen)氏は、14年が史上3番目に暑い年だったことには何の驚きもないと述べており、「そうした傾向に対する気候変動の影響は非常に明らか。気候変動によってオーストラリアはより暑くなっており、森林火災も起きやすくなっている」と語った。

 現在もサウスオーストラリア(South Australia)、ウエスタンオーストラリア(Western Australia)、ビクトリア(Victoria)の3州で森林火災が発生している。なかでも、サウスオーストラリア州のアデレード・ヒルズ(Adelaide Hills)の火災では、これまでに家屋26棟が焼失し、気象条件が悪化する前に鎮火させようと消防隊が消火作業に当たっている。(c)AFP