【1月1日 AFP】オーストラリアの大半の地域で、人工的に肌を日焼けさせる「日焼け用ベッド」の商用利用が1月1日から禁止される。皮膚がん率が世界で最も高い国の1つであるオーストラリアは、人工日焼けを規制する方針だ。

 日焼け用ベッドが禁止されるのは、ニューサウスウェールズ(New South Wales)、ビクトリア(Victoria)、サウスオーストラリア(South Australia)、タスマニア(Tasmania)、クイーンズランド(Queensland)の各州と首都特別地域(ACT)。規制推進派によると、こうした禁止が施行されるのはブラジルに次いで世界で2番目という。

 ウエスタンオーストラリア(Western Australia)州でも同様の規制が実施されるが、施行日は決まっていない。同国内で日焼け用ベッドの規制がないのは、高温多湿な北部特別地域(Northern Territory、準州)のみとなる。

 オーストラリアでは3人に2人が70歳までの間に皮膚がんにかかっている。長らく規制を求める活動を行ってきたオーストラリアのがん予防・治療推進団体、オーストラリアがん評議会(Cancer Council Australia)は禁止措置を歓迎し、皮膚がんの発症率の低減に役立つと述べた。

 過去の研究で、18〜39歳による日焼けベッドの利用は悪性黒色腫(メラノーマ)の発症リスクを高めることが示唆されていた。メラノーマはオーストラリアの若者が最もかかりやすいがんで、発症率は41%にも達する。

 英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された研究によると、日焼け用ベッドの使用はすでに欧州の一部の国々や米国の一部の州でも禁止されている。(c)AFP