【11月12日 AFP】モロッコで、自分を強姦(ごうかん)したとされる男と昨年に結婚させられた17歳の少女が、離婚を申し立てたことを理由に、夫にかみそりで切りつけられたり、殴打されたりして40針を縫う重傷を負っていたことが分かった。同国のメディアが11日、報じた。

 同国の週刊誌テルケル(TelQuel)が伝えたNGO「モロッコ人権協会(AMDH)」の情報によると、事件は同国マラケシュ(Marrakech)で8日に発生。離婚を申し立てた後に襲われた少女は、多数の切り傷を負い、体の一部が激しく損傷した。

 少女を治療したマラケシュのイブン・トファイル(Ibn Tofail)病院の医師は「少女は顔を50回殴打され、両手と両腕にも傷を負った」と説明した。複数の報道によれば、夫は少女に「おまえは俺の後に誰とも結婚できない」と言ったとされる。

 AMDHのオマール・アルビブ(Omar Arbib)代表はAFPの取材に対し、法の裁きを求め、少女を支援していくと表明した。

 モロッコでは今年1月に撤廃されるまで、強姦の被害者が未成年だった場合、加害者は被害者と結婚すれば刑罰を逃れられるという法律があり、各方面から非難を浴びていた。(c)AFP