【10月28日 AFP】2010年に米メキシコ湾(Gulf of Mexico)沖で起きた英エネルギー大手BPの石油掘削施設「ディープウォーター・ホライゾン(Deepwater Horizon)」の事故で流出した原油のうち、約200万バレルが海底に沈殿したと推計した論文が、27日の米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)に掲載された。

 論文によると、開放水域に流出した500万バレル近い原油のうち約200万バレルの行方はこれまで謎だったが、原油が暴噴したマコンド油井(Macondo Well)周辺の海底500か所以上で採取したコア(堆積物のサンプル)を科学者らが分析したところ、3200平方キロもの広い範囲にわたって、浴槽の底にたまった泥のように原油が海底に存在していることが分かった。原油はさらに広範囲に拡散した恐れもあるという。

 報告は「分析結果は、原油がまず深海域を浮遊し、その後さらに降下して海底に沈殿したことを示唆している」と述べている。科学者らは海底堆積物コアの中に残存していた、原油に由来する炭化水素成分ホパンの分析からこの結論に至った。

 研究は米カリフォルニア大学サンタバーバラ校(University of California, Santa BarbaraUCSB)、同大アーバイン校(University of California, Irvine)とマサチューセッツ(Massachusetts)州にあるウッズホール海洋研究所(Woods Hole Oceanographic InstitutionWHOI)が共同で行った。(c)AFP