■実験薬の危険性、誰が判断?

 だが、臨床試験はリスクが高い。リスクの高い臨床試験の候補に米国人2人がなった理由について、米ジョージタウン大学(Georgetown University)の生命倫理センターのG・ケビン・ドノバン(G. Kevin Donovan)氏は、2人が医療的な訓練を受けており実験薬の危険性を理解できることだったと述べた。

 ニューヨーク大学(New York University)の医療倫理部門責任者のアーサー・キャプラン(Arthur Caplan)氏は、実験薬がこれまでのところ良い反応を示しているものの、有効と言うには「ほど遠い」状況だと話し、「今後の倫理的な対策は、流行を阻止する予防対策を倍増することだ」と提唱した。バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領も6日、実験薬よりも実証済みの保健対策に力を注ぐべきだと呼び掛けている。

 WHOの倫理委員会に携わった経歴のある米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)のナンシー・カシュ(Nancy Kass)教授は実験薬の危険性を指摘した上で、実験薬を広く提供するかどうかの判断は「世界最高の専門家たちが下すべき」と述べ、来週のWHO会合に期待を寄せた。(c)AFP/Naomi Seck