【6月6日 AFP】カナダ連邦最高裁が売春禁止法を違法と判断したことを受けて同国のピーター・マッケイ(Peter MacKay)法相兼司法長官は4日、個人が売春する権利を認める一方で買春は違法とした新法の法案を発表した。これにより、罰則の対象は売春者から潜在的な買春客に移り、性的サービスの宣伝行為が禁じられる。

 法案についてマッケイ氏は「売春に伴う特有の危険を認識」してこれに対応したもので、地域社会と同時に弱者を保護することを目的としていると説明した。

 違反した場合の罰則は、最低で1000カナダドル(約9万4000円)の罰金から最高の禁錮14年まで。

 事の発端は、トロント(Toronto)の売春婦3人が売春宿経営、売春を職業とすること、路上での売春交渉などを禁じた法律によって、自分たちの安全が脅かされているとして提訴したことだった。

 カナダの最高裁判所は昨年12月、売春行為を事実上、違法とした従来の売春法は売春婦たちを危険にさらし、「個人の安全権」を認めた憲法に違反しているとの判断を下したうえで、これに代わる売春法を審議するため議会に1年間の猶予期間を与えていた。(c)AFP