【1月31日 AFP】世界最大のサンゴ礁を誇るオーストラリアのグレートバリアリーフ海洋公園(Great Barrier Reef Marine Park)の管理当局は31日、園内の海域にしゅんせつ土砂の投棄を最大300万立方メートルまで認めると発表した。この決定に、環境保護活動家らは強く反発している。

 政府はこれに先立つ昨年12月、サンゴ礁のある沿岸地域における印アダニ(Adani)グループの石炭積み出し港の拡張について、厳格な環境基準の順守を条件に許可していた。

 同社は海底から300万立方メートルの土砂を掘削することが認められた。拡張工事後のキャパシティーは約7割増となり、アボットポイント(Abbot Point)港は世界最大の石炭積み出し港の1つとなる。

 世界遺産(World Heritage)に登録されているグレートバリアリーフは現在、気候変動や土壌汚染、ヒトデの大発生といった問題に直面しており、その健康状態はすでに「不良」と指摘されている。

 しゅんせつ作業が行われれば、サンゴや海草が損傷を受け、有害物質への暴露や海域の富栄養化の恐れもあることから、自然保護活動家らはこのサンゴ礁の消失を早めることになりかねないと警告している。(c)AFP