【12月18日 AFP】中国江西(Jiangxi)省の保健当局は、同省南昌(Nanchang)で、人では世界初となるH10N8型の鳥インフルエンザに感染した女性(73)が死亡したことを確認したと発表した。だが専門家は、人から人への感染拡大の危険性は低いとみている。

 生物学者によると、H10N8型の人への感染例が確認されたのは世界で初めて。

 鳥インフルエンザの人への感染が確認されたことで、人から人に感染しやすいウイルスに突然変異することへの懸念が広がっている。

 H7N9型の鳥インフルエンザの発生では、中国本土で少なくとも139人が感染し、45人が死亡した。台湾や香港での人への感染も確認されたが、6月末以降は死亡率は大幅に低下していた。

 当局によると、南昌の女性は11月30日に深刻な肺炎で入院し、呼吸器系の障害とショック症状で死亡した。女性は家禽(かきん)類を生きたまま販売する市場を訪れていたという。

 これまでのところ、女性と接触のあった人々からは、病状は確認されていないという。

 地元保健当局者によると、ある専門家は、女性の死亡は個別的な事例であり、人の間でウイルスの感染が広がる危険性は低いと述べたという。

 香港大学(University of Hong Kong)の微生物学者によると、H10N8型の鳥インフルエンザが人に感染したことが確認されたのは今回が初めて。(c)AFP