【12月17日 AFP】米食品医薬品局(Food and Drug AdministrationFDA)は16日、抗菌せっけんを長期間使用した場合の安全性について、製造業者により厳格な要件を課す方針を発表した。また抗菌せっけんが普通のせっけんよりも病気の予防や感染防止に効果があることの証明も、メーカー側に義務付ける。

 米国では抗菌せっけんが普及する中、健康に及ぼす影響について懸念の声が上がっていた。

 FDAによれば、抗菌作用をうたうハンドソープや食器用洗剤は、トリクロサンやトリクロカルバンといった化学物質を含んでおり、効用が証明されないとすれば不必要にリスクをもたらす可能性があるいう。

 いくつかの研究で行われた動物実験では、トリクロサンは甲状腺や女性ホルモンのエストロゲン、男性ホルモンのテストステロンなどの機能に影響を与える可能性や、一般的な抗生物質に対する耐性を強化してしまう可能性が指摘されている。

 米国では、トリクロサンを含んだ製品は40年も前から市販されており、現在は2000種以上ものせっけん製品の他、歯磨き粉や掃除用洗剤、プラスチック製品や化粧品などにも使用されている。(c)AFP/Kerry SHERIDAN