■情報機関は報道を否定せず

 ハフィントン・ポストによると、NSAはシギントによって6人のうち少なくとも2人について露骨に性的な情報を入手した。それらの情報の一部は米連邦捜査局(FBI)の監視を通して収集したという。

 米情報機関はハフィントン・ポストの報道を否定しておらず、この機密文書の信ぴょう性に疑問を呈してもいない。国家情報長官室のショーン・ターナー(Shawn Turner)報道官は、「特定の個人について論じるのでなければ、テロ計画への関与が疑われる人物が国家に危害を加えたり、第三者を急進化させたりするのを阻止するために、米政府があらゆる合法的な手段を行使することは驚くにあたらない」と述べた。

 こうした手法は、FBIやNSAなどの情報機関が、故マーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King Jr.)牧師をはじめとする公民権運動指導者や反戦活動家、労働団体関係者らの名誉を傷つけるため数十年前に使っていた戦術をほうふつとさせる。

 米国自由人権協会(American Civil Liberties UnionACLU)のジャミール・ジャファー(Jameel Jaffer)法務次長は、「この報道は、個人が最も公にしたくない情報への自由なアクセスを情報機関に与えるとどうなるかということを嫌な形で思い起こさせた。このようなことは独裁国の秘密警察のやり方だと思うのが普通だが、世界をリードする民主主義国が──そして世界最大級の情報機関が──このような戦術を使っていたとは、まさに背筋が凍る思いだ」と述べた。(c)AFP