【10月22日 AFP】英政府は21日、同国イングランド(England)南西部のヒンクリーポイントC(Hinkley Point C)発電所に新たな原子炉2基を160億ポンド(約2兆5000億円)で建設する契約を、仏エネルギー大手のフランス電力(EDF)と締結した。同国が原発を建設するのは数十年ぶりで、将来のエネルギー需要に応えるためとしている。

 この契約には、同じく仏の原子力世界的大手アレバ(Areva)と、中国の原子力企業CGNおよびCNNCの2社からの出資も盛り込まれている。ただし同契約の成立には、欧州連合(EU)からの承認が前提条件となる。

 現在英国には16基の原子炉があり、同国のエネルギー需要の約2割を賄っている。新たに導入される原子炉2基がフル稼働すれば、同国電力の7%、500万世帯分の電力を供給できるという。同原発は、2023年までの稼動開始を目指している。

 英国は、低炭素エネルギー政策の中核に原子力を据えている。これは、2011年の福島第1原発事故を受けて原発を段階的に減らしていく意向の欧州一の経済大国ドイツとは正反対だ。英国内の反原子力活動家らはこの契約を強く非難し、風力や太陽光といった再生可能エネルギーをより重視するよう政府に呼び掛けている。(c)AFP/Roland JACKSON