【6月8日 AFP】昨年1月に原子炉1基の蒸気発生器の配管で水漏れが見つかり、運転を停止していた米カリフォルニア(California)州南部のサンオノフレ(San Onofre)原子力発電所の全原子炉が廃炉されることが決まった。同原発を運営する電力会社サザン・カリフォルニア・エジソン(Southern California EdisonSCE)などが7日、発表した。

 同原発は昨年1月に配管の水漏れが見つかったことをきっかけに複数の問題が発覚していた。SCEは復旧を目指して作業に当たってきたが、SCEの親会社エジソン・インターナショナル(Edison International)のテッド・クレーバー(Ted Craver)会長によると、専門家らはこれらの問題の迅速あるいは包括的な解決は不可能だという最終的な結論に達したという。米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)は、廃炉で約1100人の雇用が失われると報じた。

 サンオノフレ原発では、放射能漏れを受けて昨年1月にまず原子炉1基が運転を停止した。米原子力規制委員会(Nuclear Regulatory CommissionNRC)は周辺住民に危険はないと発表したが、設置からそれほど時間がたっていない複数の蒸気発生器の配管に想定していなかった摩耗が見つかり、同原発の全原子炉の運転が停止させられた。カリフォルニア州当局は代替の発電所を稼働させることを余儀なくされた。その後の調査で、同原発の複数の蒸気発生器の配管3400本以上に破損が確認された。(c)AFP