【5月29日 AFP】英国の公立病院で週末に緊急以外の手術(待機手術)を受けると、手術から1か月以内に死亡する確率が月曜日に手術を受けた場合に比べ82%高いことが分かった。

 英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical JournalBMJ)に発表された研究結果によると、この確率は月曜が最も低く、曜日を追うごとに上昇。金曜は月曜よりも44%高くなるという。

 2008~11年に英国の公立病院で行われた待機手術400万件以上について、術後30日以内に死亡した2万7582人を分析したインペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)公衆衛生大学院を中心とする研究チームは、週末には医療機関側の受け入れ体制が手薄になることが原因かもしれないと指摘している。

 調査を主導した同大学のポール・アイリン(Paul Aylin)氏は、「手術を受けた患者にとって術後48時間が最も重要な場合が多い」とAFPに宛てた電子メールで指摘した。「週の後半に手術を受けた患者は、手術直後の時期と週末が重なる。感染や術後の出血などの発見が遅れたり、見逃されたりする可能性がある」との見方を示した。

 英国で実施される待機手術のうち週末に行われるのは4.5%にすぎない。一般的に週末には危険性の低い手術が多い。一方、術後2日以内に死亡する可能性は月曜の167%と非常に高くなっている。

 アイリン博士は、事前に予定されていた緊急性のない手術で死亡するリスクは全体として、約0.67%と「非常に低い」と強調する一方で、患者なら、「自分が手術を受けた病院が、週末も適切な水準で稼働しているとの安心を得たいはず」と述べている。

 週末の手術の危険性についてはこれまでにも調査が行われているが、大半は緊急手術を対象とするものだった。(c)AFP