【2月26日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は25日、公共の場所での喫煙を段階的に禁じる法案に署名した。ロシア政府が同日、発表した。6月から段階的に施行され、喫煙者が非常に多い同国での公衆衛生改善を目指す政府の取り組みの柱となる。

 欧州連合(EU)の加盟数か国でも既に喫煙を制限する同様の動きがみられていたが、いかなる場所でも自由にたばこを吸える環境を長きにわたり享受してきたロシア人にとっては、大幅なライフスタイルの変革を迫るものとなる。

 制限の施行は2段階で行われる。6月1日からは都市交通機関、鉄道駅、エレベーター内、バス発着所、行政・教育・保健の関連施設での喫煙が禁じられ、また1年後の2014年6月1日には、船上、長距離列車、駅のプラットホーム、ホテル、カフェ、レストランなども喫煙制限エリアに指定される。

 ロシアでは現在、長距離列車客室内での喫煙は禁じられているが、客車後方での喫煙は許されている。また完全禁煙のレストランも非常に少なく、分煙している場合でも禁煙エリアが店の奥に追いやられている場合が多い。

 新法では、たばこ製品の広告やたばこ企業による各種イベントへの支援も禁じられる。さらに、たばこ製品を店頭に陳列することやキヨスクでのたばこ販売も出来なくなる。

 ロシアでは成人の約40%が喫煙者とされており、当局は十分な対策を講じなかったために、喫煙が大きな公衆衛生上の問題になってしまったことを認めている。

 健康産業の関係者は、喫煙に関する医療費が国内総生産(GDP)の6.3%に当たる1兆2000億ルーブル(約3兆6000億円)に上ると推定している。(c)AFP/Stuart WILLIAMS