【2月19日 AFP】SARSSevere Acute Respiratory Syndrome、重症急性呼吸器症候群)に似たウイルス性呼吸器感染症の新たな患者が英国で確認されたことを受け、世界保健機関(World Health OrganizationWHO)は16日、重症急性呼吸器感染症(SARI)に警戒し、特異な症例があれば慎重に検討するよう加盟各国に求めた。

 英国では11日、最近中東とパキスタンに渡航した人物が新種のコロナウイルスに感染していることが確認され、15日までにこの人物の近親者からさらに2人の感染が確認された。新たに感染が分かった2人には最近の渡航歴はなかった。

 これについてWHOは新種のウイルスが人から人に感染する可能性を示唆しているが、現段階では人から人への継続的な感染は確認されていないとしている。

 WHOは、原因不明の肺炎や治療の効果が出ない重症の進行性呼吸器疾患や合併症の患者には新種のコロナウイルスの感染検査の実施を検討するよう促すとともに、集団感染や医療関係者の感染例は徹底的な調査が必要だとしている。 

 15日に英国で感染が確認された人物の症状は軽く、生命の危険はないという。このウイルスの感染が確認された人は世界で12人となり、そのうちサウジアラビアで3人、ヨルダンで2人が死亡している。(c)AFP