【1月21日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は16日、銃犯罪を阻止するための規制強化案を発表した。米国では昨年12月にコネティカット(Connecticut)州ニュータウン(Newtown)のサンディフック小学校(Sandy Hook Elementary School)で起きた銃乱射事件を受け、国内の「銃文化」に関する議論が高まっている。

 豪シドニー大学(University of Sydney)公衆衛生学科が銃による負傷者を減らすために運営しているgunpolicy.orgによると、合衆国憲法第2修正によって銃を所持する権利が保障されている米国は、国内に存在する銃の数が世界で最も多く、全世帯の約40%が銃を所持している。

 以下、米国の銃に関する状況を数字で紹介する。

■銃の数
・米国内で個人が所有する銃は約2億7000万丁で世界最多。銃を所有する個人の割合も世界で最も高い。gunpolicy.orgによれば、人口100人あたりの銃の所持数は88.8丁に上っている。

■2011年の銃による死者数
・gunpolicy.orgによると、米国では2011年に銃の発砲によって3万2163人が死亡した。10万人当たり10.3人が銃によって命を落としたことになる。

・2011年に銃によって殺害された人の数は10万人当たり3.6人に相当する1万1101人だった。

・米連邦捜査局(FBI)のデータによると、米国で2011年に銃で殺された人の数は1日平均23人。米国人が銃によって命を落とす確率は他の先進国に比べて約20倍も高い。

・gunpolicy.orgによると、米国は銃による殺人件数の多さで南アフリカ、エルサルバドル、コロンビア、メキシコ、フィリピンなどに続き世界第21位。25位以内に入った先進国は米国のみ。

・銃の事故による死者は先進国で最も多い10万人当たり0.27人。2位はイスラエルだった。

・2011年に銃を使って自殺した人は10万人当たり6.3人。米国以外の先進国として唯一世界で25位以内に入ったフィンランドより大幅に多い。

■ライフルの価格
・米国での「AK-47」の平均価格は500ドル(約4万5000円)。 

■ロビー団体ARMS LOBBY
・全米で最も強い影響力を持つ銃ロビー団体、全米ライフル協会(National Rifle AssociationNRA)の会員は425万人。 (c)AFP