【11月28日 AFP】冬季には1日の日照時間が4時間半ほどしかなくなるスウェーデン北部の都市ウメオ(Umeaa)で、冬場の気分の落ち込みに悩む通勤客の力になろうと、現地の電力会社ウメオ・エネルギー(Umeaa Energy)が市内のバス停に光療法用の照明パネルを設置した。

 季節性情動障害(Seasonal Affective Disorder、SAD)といううつ病の一種は、冬季の日照不足によって発症することが多い。英国民健康保険(National Health ServiceNHS)によると、気分や食欲、睡眠を制御する脳の視床下部に光が与える影響が季節性情動障害につながるという理論がある。

 26日にウメオ市内の30か所のバス停で、照明付きの広告ボードが光療法用の特殊な照明パネルに取り替えられた。うち5か所のバス停では効果を上げるために利用客を頭上から照らすパネルも取り付けられた。

 個人差があるものの、十分な効果を得るにはこのパネルの光を1日に30分浴びるというのが一般的なので、すぐにバスに乗らずにしばらくバス停にとどまる人も出てくるかも知れない。設置されたパネルは今後3週間にわたって通勤客を明るく照らすが、紫外線はカットされているので日焼けまで期待することはできない。(c)AFP