【8月6日 AFP】英国の慈善団体監視機関は6日、自身が設立に関わったアフリカの慈善団体をめぐり「いじめ」などの非難を受けていたヘンリー王子について、そうした事実はなかったとの判断を示した。ただし、一連の騒動が公になったことについては、関係者全体の対応を問題視し、団体の管理体制に不備があったと指摘している。

慈善団体「センテベール」は、3月末から4月にかけて理事会で激しい対立が起き、その中で会長のソフィー・チャンドゥカ氏が、英国国王チャールズ3世の次男であるヘンリー王子による「いじめ」を公に非難した。

その直前には、チャンドゥカ氏が理事らからの辞任要求を拒否しており、それを受けて、ヘンリー王子と共同創設者であるレソトのシーイソ王子が、2006年に設立したこの団体からの離脱を発表していた。

センテベールは、ヘンリー王子が母ダイアナ元皇太子妃をしのんで設立したもので、レソトやその後はボツワナにおいて、HIVやエイズに苦しむ若者の支援を行ってきた。

英国に拠点を置く監視機関「慈善委員会」は6日に発表した調査結果で、「団体内で広範囲または組織的ないじめや嫌がらせ、女性蔑視(ミソジニー)や黒人女性蔑視(ミソジノワール)の証拠は見つからなかった」と結論づけた。

一方で、同委員会は「この紛争が公に持ち出されたことを、すべての当事者に対して批判する」とし、「深刻な内部対立が団体の評判に重大な影響を与えた」と指摘した。

さらに、団体の「委任事項に明確さを欠いていた」として、それが「運営上の管理不行き届き」につながったとも述べた。

同委員会は、組織運営の改善に向けた計画を団体に提示したという。

チャンドゥカ氏は当時、英スカイニュースのインタビューで、ヘンリー王子が「いじめや嫌がらせ」によって自身を辞任に追い込もうとしたと訴えていた。

これに対し、ヘンリー王子は4月の声明で、「こうした明白な虚偽が、この共通の目標に何十年も尽力してきた人々を傷つけるのを見るのは胸が張り裂ける思いだ」と述べていた。(c)AFP