【7月24日 AFP】英ロックミュージシャン、オジー・オズボーンさんの訃報を受け、数多くのファンやミュージシャンから追悼の声が寄せられている。故郷である英バーミンガムでは、集まったファンが花束をささげた。

オズボーンさんは22日に死去した。76歳だった。家族は声明で「言葉では表現しきれないほどの悲しみをもって、今朝、私たちの愛するオジー・オズボーンが亡くなったことを報告します」と発表した。

2019年にパーキンソン病と診断されていたオズボーンさんは今月初め、地元バーミンガムのスタジアムで、英バンド「ブラック・サバス」のフロントマンとして、そしてソロアーティストとして最後のコンサートを行ったばかりだった。

バーミンガムにあるブラック・サバスをたたえる壁画の前には、追悼に訪れたファンによって数多くの花束が置かれた。

数々のメッセージも残されていた。

「言葉が見つからない。本当に。すべての楽曲に感謝している」

「最後のコンサートでも、私たちに多くの幸せをもたらしてくれた。まだ信じられない」

孫と一緒に壁画を訪れた63歳のナイジェル・オコンネルさんは、AFPに対し「悲しかったが、驚きはしなかった。彼はロックンロールの人生を送っていたから」と語った。

「オジーはこの街の象徴的な存在だった。少しおバカだったけど、みんな彼を愛していた」と言い、「彼はこの街を誇りに思わせてくれた」と付け加えた。

ブラック・サバスのオリジナルメンバーでギタリストのトニー・アイオミさん、ベーシストのギーザー・バトラーさん、ドラマーのビル・ワードさんも、オズボーンさんへの追悼の意を表明した。

アイオミさんは、約20年ぶりとなったオリジナルメンバーによるコンサート開催直後の訃報に「ひどいショック」を受けたと言う。

英BBCラジオに対し、バーミンガムでの最後のコンサートは「オジーにとって素晴らしいもの」だったと述べ、「自宅にいるように感じていた」と語った。

「私たち全員にとって良いものだった…(ただ)これが最後になるとは思っていなかった」

ロッド・スチュワートさん、英バンド「ローリング・ストーンズ」のロニー・ウッドさん、エルトン・ジョンさんら、世界的ミュージシャンもオズボーンさんを「真の伝説」と称賛した。

米ロッカーのアリス・クーパーさんは、「比類なきショーマンであり、文化的なアイコン」だったと話した。

英ロックバンド「イエス」への参加でも知られるリック・ウェイクマンさんは、オズボーンさんについて「世間が思っている以上に音楽的にずっと聡明だった」と語った。

「ヘビーメタルバンドのフロントマンというだけではなく、音楽家としてもっと多くの面を持った人物だった」と、その音楽性をたたえた。

バーミンガムにある橋「ブラック・サバス・ブリッジ」では、ブラック・サバス初代マネジャーのジム・シンプソンさんが、オズボーンさんの健康状態がここしばらくの間、あまり芳しくなかったことを話した。

「彼は、7月5日のショーでステージ上で死ぬかもしれないとさえ言っていた」

また「世界は、非常に素晴らしい、バランスの取れた一人の人間を失った」とオズボーンさんの死を悼んだ。

1968年にバーミンガムで結成されたブラック・サバスは、1970年代から80年代にかけて商業的な成功を収め、ヘビーメタルという音楽ジャンルの確立に貢献。オズボーンさんはその先駆者として重要な役割を果たした。

デビューアルバム「黒い安息日(Black Sabbath)」は1970年に全英チャートでトップ10入りし、その後の「パラノイド(Paranoid)」など数々のヒット作につながった。

ブラック・サバスは全世界で7500万枚以上のアルバムを売り上げ、2006年にロックの殿堂入りを果たした。オズボーンさんは昨年、ソロアーティストとしても再び殿堂入りしている。(c)AFP/Clara Lalanne in Birmingham and Helen Rowe in London