買い替え政策で2.9兆元の市場創出、消費構造に変化
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【8月13日 東方新報】中国では、2024年上半期までに「買い替え支援策」によって2.9兆元(約60兆円)の消費が喚起され、延べ約4億人が補助制度の恩恵を受けた。これは政府が推進する国内需要拡大の一環であり、家電や自動車といった耐久消費財の更新を通じて、消費構造の高度化を後押ししている。
商務部の王文涛(Wang Wentao)部長は18日、国務院が主催する記者会見で、「中国は今まさに一人当たりGDPが1万ドル(約148万6200円)から2万ドル(約297万2400円)に達する過程にあり、国民の消費スタイルやニーズが大きく転換しつつある」と述べた。
この背景には、製品の高性能化や環境基準の引き上げといった外部要因がある。特に自動車分野では、電気自動車を中心とした新エネルギー車の普及が進み、2024年上半期時点での市場浸透率は50.2%と、全体の半数を超えた。2020年と比較すると、新エネルギー車の保有台数は5.4倍にまで増加しており、旧車からの買い替え需要が市場を押し上げている。
家電製品についても、一定規模以上の小売業者における売上高は昨年秋以降、2桁成長を維持している。省エネやスマート家電への関心が高まり、品質消費の拡大が家庭レベルで広がっていることがうかがえる。
一方、買い替え促進はモノの購入にとどまらない。第14次五か年計画期間中、サービス消費への支出も急増しており、2020年から2024年にかけて、住民によるサービス関連の年間支出は平均で9.6%の成長率を記録した。娯楽、教育、医療、旅行といった分野でも、生活の質を重視する傾向が鮮明になっている。
さらに政府は、デジタル経済や「AI+消費」「IP(知的財産権)+消費」といった新しい消費形態の育成にも力を入れており、購買体験の多様化と消費意欲の喚起を図っている。
王部長は、こうした施策を今後も恒常的な政策として制度化していくと述べ、「消費の下支えを強化し、国内循環の基盤をより強固なものにしていく」と強調した。(c)東方新報/AFPBB News