【7月8日 東方新報】中国物流購買連合会が29日に発表したデータによると、2025年1月から5月の社会全体における物流の総額は138兆7000億元(約2794兆5692億円)に達し、実質ベース(物価変動調整後)で換算すると前年同期比5.3%の増加となった。これは物流需要の回復傾向が安定してきていることを示している。

 5月に入り、中国の物流の運営は全体として安定している。物流需要の伸びは徐々に緩やかになってきているものの、構造は最適化されており、工業品物流は安定して増加し、生活関連消費の物流も加速的に回復している。1月から5月の工業品物流総額は前年同期比5.6%の増加となった。産業の高度化と政策の後押しという二重の原動力により、5月もほとんどの業界で物流需要は依然として堅調な伸びを維持した。

 また、同期間の企業および住民向け物品物流総額は前年同期比6.4%増となり、「買い替え促進」政策や連休消費によって需要が拡大したことを示している。ライブコマースや即時小売(注文から数時間以内に商品を配達するサービス)といった新しい消費形態もますます成熟している。

 5月における物流サービスの価格は全体として安定傾向にあった。主要な宅配企業では、5月のスピード配送サービスの取扱件数が大きく伸びた一方で、1件あたりの収入は前年同期より減少した。1月から5月の重点調査物流企業の事業収入は前年同期比6.5%の増加となった。物流業界のミクロな主体の収益状況はおおむね安定しており、主要な経営指標の動きも安定している。

 総合的に見ると、5月に入ってから物流需要の伸びはやや鈍化したものの、工業品物流の堅調な支え、生活関連消費の回復、グリーン物流の拡大が新たな成長エンジンとなり、輸入関連の国際物流への影響をおおむね相殺している。供給面では、輸送構造の最適化、倉庫物流の回転効率の向上、国際越境物流の安定した運営などにより、物流全体の運営効率はシステム面・連携面ともに向上した。

 専門家によると、設備の更新や「買い替え促進」などの政策による対象範囲の拡大が進めば、装備製造や生活関連消費物流の回復基調は引き続き維持される見通しであり、年内の物流需要も安定を保つと予想されている。物流景気指数の中でも「業務活動見通し指数」は3か月連続で55%を超える高水準を維持しており、鉄道・水運の複合輸送や「低空経済(ドローン・空飛ぶクルマなど)」といった分野における物流市場の期待感も高まっている。今後は、物流の供給と需要の協調した発展をさらに促進し、物流組織のモデル革新を深化させることで、経済の運営効率を一層高め、サプライチェーンに対する物流の安定的な支援機能を強化していく必要がある。(c)東方新報/AFPBB News