【3月17日 東方新報】火鍋チェーン「海底撈(Haidilao)」は12日、SNS「微博(ウェイボー、Weibo)」公式アカウントにて、「男性が火鍋の鍋に立小便した事件」に関する声明を発表し、該当期間中の4109件の注文に対して食事代の全額返金および10倍の現金補償を行うと明らかにした。

 具体的には、2月24日未明、上海の海底撈・外灘(バンド、Bund)店の個室で食事をしていた男性2人が、鍋のスープの中に小便をするという異常行為を起こした。会社側は、「このような異常行動への対応マニュアルや従業員への訓練が整備されておらず、当日のスタッフも異変に気づくことができなかった」とし、「お客様の信頼を裏切ったことを深く反省している」と述べた。

 事件の映像が2月28日にネット上に出回るまで、海底撈側では事件の発生時期や店舗の特定すらできず、やむなく四川省(Sichuan)簡陽市(Jianyang)などの警察に通報した。その後、全国1400店舗以上に対して自社調査を行ったが、膨大なデータと情報不足により調査は難航した。

 3月6日夜になってようやく、該当店舗が上海外灘店(黄浦区南京東路123号・外灘セントラル5階)であることを特定し、警察からも確認を得た。警察は問題を起こした男性2人に対し行政拘留処分を科した。なお、加害者が店舗内でアルコール類を注文していなかったことも確認された。

 海底撈は3月10日、上海市黄浦区人民法院に対し、加害者に対する民事訴訟を起こし、法的責任を追及する姿勢を示した。

 また、上海外灘店では3月7日に該当の鍋や食器の交換作業に着手し、3月8日の午前2時17分から3時49分にかけて、火鍋の鍋・箸・器具を全て交換、店舗内を「引っ越しレベル」で徹底消毒・清掃した。

 同店を利用した顧客への対応について、海底撈は「今回の件でお客様にご不快な思いをさせたことは、いかなる補償でも償いきれない」としながらも、2月24日0時から3月8日0時までの期間に同店舗で飲食した4109件の顧客に対し、当日の食事代を全額返金し、加えて10倍額の現金補償を提供すると発表した。

 さらに、顧客が法的手段で権利を主張したい場合は、「黄浦区の関連当局への相談を歓迎し、法に基づいて全ての責任を負う」とも強調した。(c)東方新報/AFPBB News