上海の「90後」医師が漫画を描く、科学絵本が人気に
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【3月1日 東方新報】中国アニメ映画『哪吒之魔童鬧海(英題:Ne Zha2)』のヒットとともに、監督・餃子(Jokelate)のサクセスストーリーが多くの観客を励ましている。同じように、上海市でも医師として働きながら漫画を描き続けている人物がいる。彼は8年間にわたって漫画を描き続け、科学絵本を出版して子どもたちが自分の体を理解し、自己防衛を学べるようサポートしている。
1994年生まれの史東文(Shi Dongwen)さんは、上海市金山区(Jinshan)漕涇鎮コミュニティ保健センターの予防保健科に勤務する医師だ。なぜ漫画を描き始めたのかという問いに対して、史東文さんは「餃子監督と同じように、芸術への愛情と情熱がきっかけです」と笑いながら答える。医師として働いているため、彼の漫画のテーマはすべて人体や医療知識に関連している。2021年には「子どもの目の健康」に焦点を当てた作品の制作を始め、約3年にわたって修正を重ね、最終的に『目を大切に、幼いころから』という科学絵本を完成させた。
史東文さんは「最初に原稿を書き始めたとき、各章を小さな物語として構成しました。問題が発生し、その原因を探り、病院に行って医師が説明するというストーリー仕立てにしています。この形式なら、子どもたちが理解しやすいからです」と説明している。
読者の大半が子どもであることを考慮して、キャラクターデザインや色彩の使い方にも工夫を凝らし、物語の舞台には「家庭」や「学校」など身近なシーンを選んだ。また、医学知識をわかりやすく説明するために、平易な言葉を使っているという。『目を大切に、幼いころから』は2万冊以上が印刷され、多くの子どもや保護者から高い評価を得ている。現在、史東文さんとそのチームは「子どもの肥満予防」をテーマにした新しい漫画の制作に取り組んでいる。
さらに、史東文さんは次のステップとしてアニメーションの制作を学び、医学知識をより楽しく、身近な形で子どもたちに届けたいと考えている。「学ぶ意欲とやる気があれば、アニメーションの効果を実現できると思います。完璧にはならないかもしれませんが、できる限り知識を広めていくことが、私の一番の目標です」と意気込みを語っている。(c)東方新報/AFPBB News