【2月13日 東方新報】春節(旧正月、Lunar New Year)休暇中、中国東南部の福建省(Fujian)では「2025海峡両岸春節花火大会」と「第23回馬尾・媽祖(Mawei・Mazu)ランタンフェスティバル」が開催された。台湾海峡の両岸から来た人びとが一緒に「巳年」を祝うことで、福建省と台湾の観光往来の回復を促そうという企画だ。

「このランタンフェスティバルは本当にキレイですね」、台湾の高雄(Gaoxiong)出身のインフルエンサー「台湾ダンダン」さんは、航海・漁業の守護神として中国沿海部を中心に広く信仰を集める道教の女神「媽祖」をテーマにした美しいランタンの飾りつけに感嘆の声を出した。彼女の話によると「媽祖」は台湾全土で広く祀られているという。

 春節休暇中、「最も魅力的な福州・インフルエンサーツアー」が企画され、台湾海峡両岸から24名のインフルエンサーが福州に招かれた。このイベントは海峡両岸で広く配信され、2000万人以上のオンライン参加者を集めた。

 また、現地のランタンフェスティバル参加者のうち約15パーセントが台湾からの観光客だった。

 さらに、福建省の観光業界は複数の台湾の旅行代理店と協力し、「福建・台湾文化発見ツアー」などの特別ツアーを企画した。

 これらは、福建省にある国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)世界遺産にも登録されている、主に「客家(ハッカ)」と称される移住民が集団で住んだ厚い土壁と木の骨格で囲まれた3階から5階建ての閉鎖性の高い砦のような大型建築物の「土楼(Tulou)」や急峻な絶壁が連なる独特な景観の武夷山(Wuyishan)と台湾の有名な山岳地帯「阿里山(Alishan)」や台湾最大の湖「日月潭(Riyuetan)とを結ぶ両岸を跨ぐツアーで、福建省と台湾の観光協力の新たな可能性を追求するものだ。

 統計によると、福建省と台湾側の金門島(Jinmen island)、馬祖島(Mazu island)との間の直接貿易、通行、郵便に関する簡素化サービス制度「小三通(Xiaosantong)」では、春節連休期間中に5万人を超える旅行者の往来があり、1月と比較して1日当たりの旅客数は約30.3パーセント増加した。

 中国のオンライン旅行サービス最大手「携程(Trip.com)」のデータによれば、福建省へのインバウンド観光予約件数は前年比40パーセント増加しており、その大半は香港特別行政区、台湾、シンガポール、日本、マレーシアからの訪問者によるものだった。(c)東方新報/AFPBB News