【6月4日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2023)に出場中のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が、2日のアレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナ(Alejandro Davidovich Fokina、スペイン)との男子シングルス3回戦でやじを浴びせてきたファンに対し、「失礼」だと苦言を呈した。

 3回目の大会制覇と最多23回目の四大大会(グランドスラム)優勝を狙うジョコビッチは、ダビドビッチ・フォキナを7-6(7-4)、7-6(7-5)、6-2で退け、14年連続の16強入りを果たした。

 しかし、試合は緊迫したムードに包まれた。第2セット終了後にメディカルタイムアウトを取ってファンの怒りを買ったジョコビッチは、観客に皮肉めいた拍手を送り親指を立てた。第3セットにいら立ちに任せてボールを高く打ち上げた際、再び客席からやじが飛ぶと、今度は観客のブーイングとやれやれというようなしぐさをまねしてやり返した。

 ジョコビッチは「ファンの大半はテニスを楽しんだり、選手を応援したりしていると思うが、中にはやることなすことすべてにブーイングをするのが好きな人もいる」と話し、「それは失礼だと思うし、正直に言えば理解できない。とはいえ、彼らにはその権利がある。お金を払ってチケットを買っているのだから、好きなことができる」と続けた。

「実際、ほとんどの場合は自分も黙っているが、ときには反対する。失礼な人がやり返されるのは当然だと感じるからだ」

 男子シングルス2回戦では、フランス勢最後の1人であるアルトゥール・リンデルクネシュ(Arthur Rinderknech)を下し、ブーイングを浴びたテイラー・フリッツ(Taylor Fritz、米国)が、黙れというように唇に指を当てた。全仏オープンのファンとの関係について、ジョコビッチは「いいときと悪いときの差が激しい」と話している。(c)AFP