【5月28日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は26日、ウイグル人男性が韓国発の航空便で香港の空港に到着後に行方不明になっていると発表した。これに対し香港政府は27日、誹謗(ひぼう)だと反発した。

 アムネスティによると、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)出身のアブドゥワイリ・アブドゥレヘマン(Abuduwaili Abudureheman)氏は10日に香港入りして以降、連絡が途絶えている。同氏は、友人に会うため香港を訪れたという。

 空港で待つ友人に送った「中国警察に職務質問されている」という短いメッセージが残されていた。AFPは、アムネスティが示したこのメッセージを確認したが、本物かどうか裏付けは取れていない。

 香港政府は、アムネスティの主張は事実無根で、香港における人権状況に対する誹謗中傷だと反発。記録によると、「アブドゥレヘマン氏は香港入りしておらず、拒否もされていない」とし、アムネスティに謝罪を求めた。

 アブドゥレヘマン氏の友人はAFPに対し、友人らは香港行きを懸念したと話した。「彼は状況を読み間違っていた。重大な結果になると理解していなかった」と語った。

 友人によると、アブドゥレヘマン氏は中国旅行中に警察に質問を受けたことがあるが、本人は大したことはないと受け止めていたという。

 アムネスティによると、アブドゥレフマン氏は今月10日午後11時に香港到着予定のキャセイパシフィック(Cathay Pacific)航空便に搭乗していた。

 アブドゥレフマン氏が実際に搭乗したかキャセイに問い合わせたが、回答は得られていない。

 アムネスティの中国専門家は、「アブドゥレフマン氏は到着時に拘束され、尋問されているとみられる。中国政府によるウイグル人への人権侵害に香港政府が加担している可能性がある」と指摘した。(c)AFP