【5月26日 Xinhua News】中国科学院南京地質古生物研究所はこのほど、南京大学、雲南大学の古生物学者との共同研究で、2億5200万年前の生物の大量絶滅期に高温の山火事が多発していたことが分かったと明らかにした。同時期の陸地生態系の崩壊過程を理解するための重要な根拠となる。

 研究をリードした中国科学院南京地質古生物研究所の張華(Zhang Hua)研究員によると、2億5200万年前のペルム紀末に発生した生物の大量絶滅では、海洋生物の81%と陸生生物の89%が短期間に絶滅した。この時期にはテチス周辺の強烈な火山活動やシベリアの巨大火成岩岩石区が大量の温室効果ガスと有毒ガスを放出し、地球温暖化を招き、山火事が多発した。

 陸地生態系の崩壊や植生の遷移に対する山火事の影響を詳しく理解するため、研究チームは多環式芳香族炭化水素の詳細な分析を実施した。山火事で産出されるこの物質は強い不活性を備え、地層で長期にわたって安定的に存在することから、古代の山火事を研究するのによく使われている。

 これによると、生物の大量絶滅が起こったペルム紀末、多環式芳香族炭化水素の含量は顕著に高まり、有機炭素同位体は低下した。高温や干ばつの気候の下、大規模な山火事があったと考えられる。多環式芳香族炭化水素のうち、一部の低分子量化合物は生物分解で生成し、その異常な密集度はこの物質が主に陸地植生の高温山火事による燃焼で生まれたことを示している。燃料は当時の熱帯雨林植生システムから提供された。

 このほか別の多環式芳香族炭化水素指標は、ペルム紀末期に陸地の生物が大量絶滅した後、陸地生態系が巨大な影響を受け、古テチス海東岸地域の非常に多様な熱帯雨林がなくなり、石松類植物に代表される草地の植生システムがこれに取って代わったことを示した。これはペルム紀末期のギガントプテリス植物群の急速な絶滅の理由を一定程度説明している。

 関連する研究成果は国際地学誌「地球惑星科学レター(EPSL)」に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News