【5月26日 CNS】中国北京市経済・情報化局は5月4日、「『北京市における高精尖(ハイレベル・精密・先端的)産業科学技術イノベーション体系建設実施案(意見募集稿)』に関する意見募集の通知」を発表した。

 この「実施案」の策定目的は、企業のイノベーション能力をさらに向上させ、産業発展の構造を改善し、科学技術イノベーション体系が北京国際科学技術イノベーション中心地の建設と現代化産業体系の構築において重要な支援の役割を果たすようにすることだ。

 北京師範大学(Beijing Normal University)革新発展研究院院長、関成華(Guan Chenghua)教授は、中国共産党の第18回党大会以来、北京は科学技術と人材の2つの優位性を最大限に活用し、「三城一区(3つのサイエンス・シティと1つの経済技術開発区)」を主要プラットフォームとする全国科学技術イノベーション中心地の建設配置が形成された。短期的には、3つの科学城の建設は所在地域に多くのイノベーションの担い手を集め、経済成長を促進し、雇用水準を向上させた。長期的には、地域のイノベーションの原動力の育成、イノベーションの生態系の維持、強力なイノベーションの血を流入させることにつながった。

 良好な科学技術イノベーション能力も北京の経済発展に顕著な貢献をしてきた。関成華教授は、「三城」を例に挙げて説明した。

 中関村(Zhongguancun)科学城は海淀区(Haidian)全域に拡大した。科学技術イノベーションを活用し、同区は先進製造業を支えとし、未来産業を主導とする「高精尖」産業体系を築き上げた。2022年、海淀区のGDPは1兆元(約19兆7579億円)を突破し、全国で2番目に1兆元を突破した区となった。

 懐柔(Huairou)科学城は、世界クラスの原始的なイノベーション拠点を作ることを目指し、2017年以来、年々新たな段階を上り、人材と企業の集積、科学城の活力、そして原始的なイノベーション能力の向上など、歴史的な飛躍を達成してきた。

 未来科学城は、中央と地方の協力を深め、「能源谷(エネルギーバレー)」「生命谷(ライフサイエンスバレー)」、沙河高等教育パークの建設を加速し、先進的なエネルギー産業と医薬品・ヘルスケア産業の2つの1000億クラス規模の産業クラスターの形成に力を注いでいる。将来の3年間で、「ライフサイエンスバレー」の産業収入を1500億元(約2兆9637億円)以上に、また「エネルギーバレー」の先進的なエネルギー産業収入を4000億元(約7兆9032億円)に到達させる計画だ。

 科学技術イノベーションがいかにして北京の発展をさらなる新たな段階に押し上げるのか。これに対し、関成華教授は、科学技術イノベーション中心地建設の核心は人にあり、高度人材こそ北京の最大の利点で、ポテンシャルを引き出し続けるものの一つでもあると述べている。(c)CNS-新京報/JCM/AFPBB News