【5月17日 AFP】イタリアのポンペイ(Pompeii)遺跡で新たに、西暦79年のベスビオス山(Mount Vesuvius)の噴火に伴う地震で死亡したと見られる男性2人の白骨遺体が発掘された。研究者らが16日、発表した。

 2人はともに55歳以上だったとみられる。遺跡公園の発表によると、避難していた「貞淑な恋人たち(Chaste Lovers)」と呼ばれる建物の一部が倒壊し、多発外傷を負い死亡した。うち1人は、石造りの壁から身を守るように片腕を上げていた。

 2人の遺体が見つかった部屋は倉庫だったとみられ、アンフォラ(かめ)やわん、皿がまとめて置かれていた。2人は床の上に体を横にして丸まり、うち1人は左手に指輪をしていた。

 また、1人のそばには、布の束だったとみられるものがあり、中にはネックレスのビーズとコインが入っていた。

 隣の部屋にはフレスコ画の神棚と、トイレ付きの細長いバスルームがあった。

「貞淑な恋人たち」の家では以前、鮮やかなフレスコ画や粉をひくために使役されていたラバの骨も見つかっている。

 同遺跡ではこれまで、1000人以上の遺体が見つかっている。(c)AFP