【5月10日 AFP】ロシアのセルゲイ・アンドレーエフ(Sergei Andreev)駐ポーランド大使が9日、旧ソ連の対独戦勝記念日に合わせてワルシャワにある旧ソ連兵の墓地を訪れた際、親ウクライナ派団体に献花を阻止された。

 アンドレーエフ大使は霊廟(れいびょう)前に献花しようとしたが、親ウクライナ派団体に行く手をさえぎられた。このため、墓地の入り口に花輪を置かざるを得なかった。

 大使は「明らかな公序良俗違反だ。残念ながらまたしても、ファシズムと戦ってこの地で亡くなったソ連兵の霊廟に献花できなかった」と述べた。

 アンドレーエフ氏は昨年同墓地を訪れた際も、デモ隊に赤い液体をかけられた。

 親ウクライナ派団体「ユーロマイダン(Euromaidan)」のメンバー、ビクトリア・ポグレブニャク(Viktoria Pogrebniak)氏はAFPに対し、抗議行動の目的は「ロシアによるウクライナ侵攻の結果どうなったかを示すことにある」と説明。「ロシア人は今もファシズムと戦っていることを示そうとするだろうが、彼らこそファシズムを再開した張本人だ」と話した。

 ユーロマイダンは、アンドレーエフ大使を国外退去にするようポーランド政府に要請している。これについてポグレブニャク氏は「われわれが求めているのは、ロシアの外交官を文明世界であるポーランドから追放することだ。彼らはもはや文明世界の一員ではない」と語った。

 墓地の入り口では、活動家によるインスタレーション作品も展示された。多数のウクライナ国旗やロシアによる侵攻で殺害されたウクライナ人を表す十字架、ロシアの攻撃で破壊された住宅の模型などが並べられた。(c)AFP