【4月1日 Xinhua News】中国の国有石油大手、中国海洋石油集団(CNOOC)とフランスのエネルギー大手トタルエナジーズは3月28日、上海石油・天然ガス取引センターを通じて、国内初となる人民元建て決済による液化天然ガス(LNG)の輸入取引を完了させた。

 LNGは湾岸協力会議(GCC)に加盟するアラブ首長国連邦(UAE)産で、取引量は約6万5千トン。中国がクロスボーダー(越境)人民元決済による石油・ガス取引に向けた実質的な一歩を踏み出した。

 税関総署によると、中国の昨年の原油輸入量は5億トン超、天然ガス輸入量は1億トン超で、うちLNGが6344万トンだった。国際市場の人民元に対する受け入れ度合いが高まる中、石油・天然ガス取引の双方が人民元建て決済を試行する条件が熟しつつある。

 CNOOCの兪進(ゆ・しん)副総経理は、今回の人民元建て取引について、エネルギー貿易のグローバル化を促し、LNG取引の多元的なエコシステムを形成する上で有益な実践になると指摘。今後もLNG国際取引のビジネスモデルの刷新を進め、国際・国内両市場の良性の相互作用を後押ししていく方針を示した。

 上海市発展改革委員会の陳国忠(ちん・こくちゅう)チーフエコノミストは、同センターがCNOOCと連携し、LNG国際取引の人民元建て決済を進めることは国際・国内両市場の結び付きと資源の高効率循環の促進に寄与すると語った。

 同センター董事長で中国経済信息社副総裁の郭旭(かく・きょく)氏は、世界のLNG市場で中国は重要な買い手となっており、取引インフラの規模が拡大し、取引への参入主体も増えていると指摘。今後も取引プラットフォームとしての役割を果たし、クロスボーダー人民元決済業務のための金融インフラ整備に力を入れ、現代化された石油・天然ガス取引のエコシステムを築き、国際と国内の石油・天然ガス資源の十分な流通のためにより利便性の高いルートを提供していくと語った。

 同センターは上海市人民政府の承認を経て、新華社のほか、三大国有石油会社の中国石油天然気集団(CNPC)、中国石油化工集団(シノペックグループ)、CNOOCなど複数の関連企業が参画。昨年の取引量は928億5800万立方メートルに達している。(c)Xinhua News/AFPBB News