【3月27日 AFP】台湾の最大野党・国民党所属の馬英九(Ma Ying-jeou)前総統(73)が27日、中国訪問を開始した。台湾の総統経験者による訪中は初めて。与党・民主進歩党(民進党)は中国の台湾政策を「支持」する動きだと非難している。

 中国国営新華社(Xinhua)通信によると、馬氏は同日午後、上海に到着し、空港で中国政府と同市関係者の出迎えを受けた。

 馬氏の事務所によると、同氏は12日間滞在するものの公式な会談などの予定はなく、先祖の出身地訪問や中台の青少年の交流の促進が中心となる。

 馬氏は出発前の空港で「若者たちの熱心な交流を通じて(台湾海峡)両岸の空気が改善され、より早く平和が訪れることを望んでいる」と述べた。

 だが蔡英文(Tsai Ing-wen)総統率いる民進党は同日声明を発表し、「国民党が中国共産党の側に立ち、馬前総統が世論の反対を無視してこのタイミングで訪中するのは遺憾だ」と批判した。

 台湾をめぐっては、中米ホンジュラスが先週、中国と国交を樹立する方針を表明し、台湾との断交を発表したばかり。

 蔡政権の発足後、中国政府は台湾に対する軍事、経済、外交的圧力を強化。台湾と外交関係を維持する国は9か国減り、13か国となっている。(c)AFP