【3月30日 AFP】スウェーデン宇宙物理研究所(IRF)の研究チームは今月23日午後7時23分、オーロラ(北極光)について研究するため、同国極北に位置するエスレンジ宇宙センター(Esrange Space Centre)から観測ロケットを打ち上げ、高度100~200キロでアルミニウム製の筒からバリウムを放出した。

 午後7時半すぎには、スウェーデン北部の町キルナ(Kiruna)から半径200キロ以内の上空で、波打つ緑色がかった白い光が観測できた。

 この実験は、宇宙天気予報の精度を向上させ、人工衛星や重要インフラを保護することを目的とするオーロラ研究の一環として行われた。

 実験を率いたティマ・セルギエンコ(Tima Sergienko)氏は打ち上げ前、AFPの電話取材に対し「現代人にとって、全地球測位システム(GPS)やテレビ、衛星放送、携帯電話などのない生活は想像できない。これらを使うためには、宇宙天気を理解する必要がある」と述べた。

 同様の実験は世界中で何十年も前から実施されてきたが、セルギエンコ氏は現在の技術とカメラは格段に進歩していると指摘。「こうした実験や光学測定から、より多くの情報を得ることができるようになった」と述べた。

 映像前半は実験の様子、23日撮影・提供。後半は取材に応えたセルギエンコ氏、10日撮影。(c)AFP