【3月17日 Xinhua News】日本の漢方大手ツムラが中国天津市に持つ子会社、天津津村製薬は今年初め、10億元(1元=約19円)の増資を決めた。漢方薬産業基地の建設に充当する。同社はこの5年間で増資を続け、生産を拡大している。

 同社の設立は2018年で、主に漢方エキス粉末を製造、輸出している。2022年には第2期拡張プロジェクトとして生産ラインを増設した。同社の張立弦(ちょう・りつげん)副董事長兼総経理は「天津でのここ数年の投資額は28億元に上る」と説明した。

 中国で投資を続ける背景には、長期にわたる対中投資で得た確かな収穫と中国の発展に対する確信がある。

 ツムラだけでなく、空気圧制御機器大手SMCの子会社、SMC(天津)製造も10億元の増資を決めた。第2期プロジェクトとして部品工場を15万平方メートル拡張する。正式稼働後の生産額は15億元となり、同社が中国に持つ最大の工場になる。

 SMCが天津を進出先に選んだ理由には、京津冀(北京・天津・河北2市1省)共同発展戦略による地理的優位性や強固な製造基盤、整備された産業付帯施設、顧客の多さ、技術人材の質の高さなどが挙げられる。SMC(天津)製造の馬清海(ば・せいかい)総経理は「第1期の工場は2021年8月に生産を開始した。22年の生産額は7億元となり、今年は13億元を見込んでいる」と述べた。

 同市で3日に開かれた外資・サービス業重点プロジェクトの第1回集中調印式では、日本の自動車部品メーカー、アドヴィックスが天津部品工場拡張プロジェクトとして4億4千万元を投資したほか、同市に本社を置くあいおいニッセイ同和損保の中国法人、愛和誼日生同和財産保険(中国)が3億7500万元を増資した。

 天津日本人会の金城裕俊会長は「天津には多くの日本企業があり、経営活動で常に地方政府の力強い支援を受けている。今年は中国での新規プロジェクト投資を考える日本企業がますます増えると確信している」と語った。

 中国では昨年11月中旬以降、北京や天津、済南(山東省)、合肥(安徽省)、泰州(江蘇省)などの都市が相次ぎ日本へビジネス代表団を派遣し、企業誘致説明会を開いた。代表団はいずれもハイエンド製造業とテクノロジー産業、現代農業に焦点を定め、日本との産業連携強化に期待を示した。

 中国日本商会が昨年7月に発行した「中国経済と日本企業2022年白書」によると、在中日本企業は2021年度の業績が大きく回復し、過去最高水準に達した。(c)Xinhua News/AFPBB News